じぶん列車~小さな車窓から見えるもの~

産業カウンセラー。日々感じたことを、感じたままに書きとめる。目的地は決めず、その時々の関心事、景色や出会いを味わいます。

自己呈示の心理学理論<その4>なぜ「他人の成功」に便乗したくなるのか?

2月12日に放送された「所さんの笑ってコラえて」のダーツの旅では、佐藤栞里さんが岩手県種市町(現在の洋野町種市)を訪れました。

漁港の測量をしている男性と出会い、彼が「大谷翔平選手と同じ中学校出身なんですよ」と話すと、佐藤栞里さんは「すごい」「めちゃいい」と感嘆していました😊

自分の知っている有名人やブランド力のある何かとつながりがある人は、一目置かれたり、羨ましいと思われたり・・・は、よくありますよね🎵

<栄光浴(Basking in Reflected Glory)とは?>

栄光浴とは、他者の成功や栄光を自分に重ね合わせて、自尊心を高めようとする心理現象を指します。

たとえ自分が直接その成功に関わっていなくても、「有名チームのファン」「あの人と同じ学校出身」「知り合いが有名人」というだけで、自分まで誇らしく感じることがあるのです✨

具体例

・推しチームの応援
推しチームが優勝すると、まるで自分まで勝利したかのように誇りを感じる。

・有名な大学や企業との関係を誇示
「私の母校は○○大学」「勤め先は世界的に有名な○○社」など、自分が直接の成功要因ではなくても、組織の一員であることを強調して自慢する。

・有名人や成功者とのつながりをアピール
「友人が人気モデル○○で…」「知り合いがファッション誌の編集者で…」など、周囲が「すごい」と感じる人物との関係を話題にする。

心理的カニズム>

人は誰しも自己評価を高めたいという欲求を持っています。

自分の直接の成果ではなくても、成功者や有名な存在とつながることで、間接的に自己価値を上げられると感じるのです。

<栄光浴(BIRG)のメリットとデメリット比較>

項目 メリット デメリット
自己肯定感 成功者とつながることで、自尊心が向上 実力が伴わないと、自己評価が揺らぎやすい
人間関係 仲間意識が高まり、関係が強化される 過度なアピールは周囲の反感を買う
モチベーション 成功を見て「自分も頑張ろう」と思える 他者に依存しすぎると、自己成長を怠る
社会的評価 人脈やチャンスが広がる 失敗した際に自分の評価も下がる

<反射的損失の回避(Cutting Off Reflected Failure)>

栄光浴と反対の現象に「反射的損失の回避」があります。

友人や知人の成功・失敗

・「実はあの社長、昔から飲み友なんだよね」(=栄光浴)

・「あいつ?まぁ、一時期は知り合いだったけれど、今は関係ないよ」(=反射的損失の回避)

政党の人気による態度の変化

・「わたしは〇〇党の一員として、誇りと信念をもっています。党の方針に全面的に賛成しています」(=栄光浴)

・「わたしは〇〇党の一員ではありますが、独自の見解から、必ずしも党の方針に従うわけではありません」(=反射的損失の回避)

自分の印象と集団の印象が密接に結びついている事実も否定できず。

このように、成功しているときは自分と結びつけ、失敗すると距離を取ります。

日常の中でも意外とよく見られる心理ですね。

<まとめ✍>

昭和の時代には、「あんな人知っている、こんな人知っている」と名刺を目の前で並べ始めるオジサマを良くみかけたものです💦

個人情報のダダ洩れ(→今の時代は、怒られる)。

自分への興味関心を引きつけたいという意図も透けて見え、「この人には、注意しないと!」と思った経験があります(苦笑)。

人は、自分以外の誰かの業績や名声に自分を重ね合わせることで、手軽に自尊心を満たそうとすることがあります(便乗!?)。

しかし、栄光浴にどっぷり浸りすぎると、自分自身の成長や実力を高める機会を逃してしまうことがありそうです。

他者の栄光に頼らずとも、心から誇れる自分になりたい・・・と願いつつ、栄光浴と言えるネタとも出会いたいと思う筆者でした(笑)。

自己呈示の心理学理論<その3>なぜ「努力しない自分」「不利な状況をつくる自分」が出現するのか?

前回のブログでは、事後的にイメージを維持・回復するための「釈明」について取り上げました。

今回は、それとは異なり、事前にイメージを守るための自己呈示として、「セルフハンディキャッピング」について紹介します😊

試合前から始まる「負ける理由探し」~

例えば、テニスの試合で優勝を目指して練習を重ねてきたとします🎾

自分の努力を信じたい気持ちはあるものの、「強い選手はたくさんいる」という不安も拭えません。

気持ちも落ち着かず、今週は練習を軽めにしておくか。

試合当日、思うようなプレーができず、相手の素晴らしいプレーを目の当たりにすると、「負けるかもしれない」という恐怖が迫ってきます💦

このとき、心の中では「相手の方がもともとレベルが高かった」「今週は、本気で練習できていなかった」「最近、体調が優れなかった」など、さまざまな「負ける理由」を考え始めるのです。

そして、試合を観ていない友人から「どうだった?」と聞かれたときの答えまで、思考を巡らせている自分に気づきます💦

<セルフハンディキャッピングとは?>

成功の確信が持てない状況で、あらかじめ失敗した際の言い訳を準備し、自分に不利な状況を作り出す行動や認知のことを「セルフハンディキャッピング」と呼びます。

成功すれば「困難を乗り越えた」として自尊心を維持できるという、巧妙な自己呈示・心理戦略でもあります。

<セルフハンディキャッピングの種類>

セルフハンディキャッピングには、大きく分けて 「主張的セルフハンディキャッピング」「獲得的セルフハンディキャッピング」 の二種類があります🧐

・主張的セルフハンディキャッピング: 他者に対して、自分が不利な状況にあることを事前にアピールする。

例:「初めていくお店で、その駅は降りたことがないから迷うかも。」

・獲得的セルフハンディキャッピング: 実際に自ら不利な状況を作り出す。

例:試験前にあえて勉強せず、「準備不足だったから」と説明できるようにする。

<セルフハンディキャッピングの目的>

セルフハンディキャッピングは、主に以下のような目的で行われます。

(1)失敗の責任を能力以外の要因に転嫁する

「努力しなかったから、結果を残せなかった」と考えることで、自分の能力不足を直視せずにすむ。

(2)成功時の評価を高める

「不利な状況でも、結果を残せた」と言えれば、さらに高評価を得られる。

(3)他者からの評価をコントロールする

「本気を出せば、できる・やれる」というイメージを保ち続けることができる。

<助ける行動にも潜むセルフハンディキャッピング!?>

人を助けようとする行動の中にも、自分の能力を高く見せたいという利己的な動機が潜んでいることがあります💦

例えば、「手伝おうか?」と申し出る行為には、「助けることで有能な人間だと思われたい」という欲求が働いています。

もし失敗したとしても、「助けようとした姿勢」は評価されるため、自尊心が傷つくリスクを減らせるのです。

それでも、筆者個人的には「手伝おうか?」と言える人でありたいなぁと(汗)。

<自尊心の高さとセルフハンディキャッピングの違い>

自尊心の高さによって、セルフハンディキャッピングの取り方が変わります。

自尊心が高い人:周囲に「今日は調子が悪い」といった言い訳を事前に伝える

(➡主張的セルフハンディキャッピング)。

自尊心が低い人:努力を避けたり、不利な状況を意図的に作り出す

(➡獲得的セルフハンディキャッピング)。

<まとめ✍>

セルフハンディキャッピングは、自己評価を守るための自己呈示・心理戦略ですが、

長期的には成長の妨げになる可能性があります。

結果がどちらに転んでも、こころのダメージが軽減できるとも言えますね。

自分に甘ーい(苦笑)。

わたしたちは、能力がないと他者から評価を受けることに、猛烈な恐怖を感じているということを強く考えさせられます。

自分を信じて、何事にも全力で取り組める人は、本当に尊敬しますね✨

努力の天才と言われるイチローさん❤️

・何かを長期間、成し遂げるためには考えや行動を一貫させる必要がある。

・結果が出ないとき、決してあきらめない姿勢が、何かを生み出すきっかけをつくる。

心に沁みる名言の数々・・・

努力をせずとも、夢を叶えている人もいるでしょう(羨ましい)。

多くの人にとって、自分の思うような成果は、そう簡単には得られるものではなく💦

全力で取り組んだプロセスが、いつか花開くときもあると信じて✨
「ベストを尽くせる人」を目指しましょう!

と、筆者も自分に言い聞かせております(笑)。

自己呈示の心理学理論<その2>「釈明」は、自分を助けてくれるのか?

何らかのミスや予想外の出来事が起こった場合には、そのままでは相手からの印象が悪くなってしまうかもしれません。

自分のイメージを回復するための自己呈示としての「釈明」を取り上げます。

朝寝坊して会社からの着信に気づかなかったとき、「朝起きたら、お腹がぐるぐると(痛)」と苦し紛れの言い訳をしたり!?

「いつもより電車が混んでいたせいか、乗り換えに時間がかかった」と正当化してみたり!?など、誰しも似た経験があるのではないでしょうか。

そんな筆者も、新入社員の時にやらかした経験があります😅

社会心理学でよく知られる「弁解(言い訳)」と「正当化」の違いを比較しながら、そのメリット・デメリットをまとめました☝

<「釈明」とは?>

「釈明」とは、自分の行為や結果が相手にとって好ましくない印象を与える可能性があるときに、それを修正・軽減・正当化しようとする対人行動や発言のことを指します。否定的な評価を避けたい、あるいは批判を和らげたいという場面で、多くの人が自然と行うコミュニケーションの一つです。

具体的には、「どうしてこうなったのか」「悪意はなかった」と説明したり、一部の責任を認めつつ自分や行為の価値を守ろうとしたりするのが典型的な形です。

<「釈明」の背景にある動機>

人は他者からの評価を気にし、その評価を良好に保ちたいという欲求(承認欲求)をもっています。

何か良くない出来事が起きると、社会的に不利な状況に立たされ、自分の印象が悪くなるのではと不安になります。

そこで「釈明」という方法を使い、否定的なイメージを軽減しようとするのです。

苦境に陥った状況で、困惑という感情を経験→みんな必死(苦笑)。

<「釈明」の主な種類>

社会心理学では、「釈明」は大きく以下の2つに分類して考えられます。

①弁解(言い訳)

自分と自分が行った行為との結びつきを弱めようとする試みです。

★主張の仕方

「自分の力ではどうしようもなかった」(コントロールできない)

「本来はそんなつもりではなかった」(最初から意図はない)

★具体例

・「体調が悪くて、いつものパフォーマンスが発揮できなかった」

・「システムエラーが発生して、失敗してしまった」

②正当化

部分的には自分の責任を認めながらも、その行為や結果が持つ否定的な意味合いを弱めようとする試みです。

★主張の仕方

・「この行為には大変な面もあったが、別の角度から見れば価値がある」

★具体例

・「厳しく指導したが、それは彼の成長のために必要だった」

・「時間はかかったけれど、結果的に良い作品になった」

<弁解(言い訳)と正当化のメリット・デメリット>

種類 メリット デメリット
弁解(言い訳)

・相手からの厳しい評価を和らげやすい。

・自分の責任を最小化することで、周囲の反発を回避しやすい。

・過度に強調すると「責任逃れ」だと受け取られる。

・「自分の非を認めない人」という印象を与え、信頼感を損なう恐れ。

正当化

・否定的な行動や結果を、別の視点から“価値あるもの”と認識してもらいやすい。

・多少の失敗があっても、意味づけを変えることで評価をプラスに転じる可能性がある。

・納得されなかった場合、「都合の良い理屈」だと思われる。

・かえって相手の反感や怒りを買うリスクがある。

<釈明が果たす社会的・心理的機能>

釈明と聞くと、「失敗をごまかすための行動」という、ネガティブなイメージが強いかもしれません。

しかし実際には、以下のような社会的・心理的機能も担っています✨

(1)相手との関係性を維持する

「飲み会に誘われたけど行きたくない」、そんな時に本当の理由を言いづらい場面で、角が立たない理由を伝えて断ったことは、ありませんか?

相手の気持ちを傷つけずに断る(この場合は誘ってくれた相手の顔を立てる)ことで、人間関係の悪化を防ぎ、スムーズなコミュニケーションを保つことができます。

(2)社会的秩序を保つ

たとえ失敗やミスがあったとしても、そのまま放置すると周囲からの不信感が高まるかもしれません。

釈明を通して「なぜそうなったのか?」を共有し、誤解を解いたり、次に同じ問題が起こらないように気を配ったりすることで、周囲との調和をはかります。

(3)自己イメージの保護

人は自分のアイデンティティを守りたいという欲求をもっており、釈明によって自分自身の評価やイメージを保とうとする働きがあります。

これは決して悪いことだけではなく、適度な釈明は自己肯定感を支えたり、次の行動へのモチベーションを維持したりする面もあります。

<まとめ✍>

・「釈明」は、否定的な評価や批判が予想されるときに行われる自己呈示・印象管理の一種であり、社会心理学では「弁解(言い訳)」と「正当化」の2つが中心的に取り上げられます。

・「弁解(言い訳)」は自分の責任を最小化しようとし、「正当化」は行為の意味をポジティブに変換しようとする特徴があります。

・適切に使えば、失敗を乗り越えたり、人間関係を円滑に保つための効果的な方法にもなります。

一方で、やりすぎると逆に不信感を招きかねないため、慎重さが求められます。

釈明しなくて済むことが理想ですが💦

大切なのは、相手の状況や気持ちを考慮しながら、無理のない形で伝えること。

行き過ぎた言い訳やこじつけと受け止められないよう、あくまで誠実さとバランス感覚を忘れずにいたいものです。

話術に長けている人は、うまい具合に「正当化」して、話をまとめているような🧐

怒っていたり、不機嫌な相手が、思わず笑って、場を和ますような釈明ができたら!?と考えたりもしますが、ひとつ間違えると、「言わなければ良かった(焦)」と、後悔する展開になる場合も(苦笑)。

適度に!?に、釈明上手を目指しましょう😊

自己呈示の心理学理論<その1>「見せる自分?」と「見せない自分?」

人は誰にも好かれたい、良く思われたい。

承認欲求から、意識的・無意識的にさまざまな言動を行っていますが、

今回はそうした行動をひも解く興味深い心理学理論をご紹介します😊

<自己呈示(Self-Presentation)とは何か?>

他者からどのように見られるかを意識しながら、自分自身を意図的に表現・演出することを「自己呈示」と呼びます。

たとえば、初対面の相手には優しく丁寧に振る舞うことで「礼儀正しい人」という印象を与えようとしたり、ジムで鍛えている写真をSNSに多く投稿すれば、「健康に意識が高い人」と思われたいなど。

多かれ少なかれ、「自己呈示をやったことないわ」という人はいないはず。

筆者も初めて会う人とは、自分から挨拶したり、元気があるように!?自己呈示しています(笑)。

<「見せる自分?」と「見せない自分?」>

日常生活で、人は相手や状況に合わせて自分の姿を微妙に変えているのです。

例えば、友人や家族の前ではリラックスした「見せる自分」、職場や学校ではかしこまった「見せる自分」など、場面ごとに異なる一面を切り替えることがあるでしょう。

その背景には「この場面ではこう振る舞うのが望ましい」という周囲からの期待や好意、社会的役割や権威の獲得に意識が働いています。

一方で、他者にはあまり公開しない「見せない自分」の存在もあります。

弱みや本音など、信頼できる相手だけに開示したり、自分自身もあまり意識していない場合もあるかもしれません。

このように、いくつかの側面を組み合わせながら「見せたい部分」と「見せたくない部分」を使い分けているのです。

まさに、人間はカメレオンのように生きているのですねぇ💦

<抱いた印象に基づいて、その人への対応が変化>

他者から良い印象を持ってもらえると、人間関係がスムーズに運びやすくなります❤️

たとえば、この人は「優しそうだ」と感じれば、自然と相談しやすくなり、「しっかりしていそうだ」と感じれば、頼りにしやすくなるはずです。

もし、人の相談や面倒を見るが苦手だと感じる人は、「優しくない人」を演じると良いのかもしれません(苦笑)。

つまり、こちらが抱いた印象に基づいて、その人への対応が変化していきます。

これは逆の立場でも同じことが言えます。周囲の人たちは、あなたの言動や外見を手がかりにして「この人は明るい」「真面目そう」といったイメージを抱き、それをベースに接し方を決めていきます。

そう考えると、少しでも良い印象を与えたいと意識するのは、ごく自然なことと言えそうです。

もし、相手の自分への態度やコミュニケーションに納得いかないと感じている場合は、「自分の与えた印象」に原因がある可能性もあり!!

<就活は「望ましい自分」を演出する典型的な場面>

自己呈示の凝縮祭!?典型的な場面として、就活の面接が挙げられます。

「協調性がある」「スキルが高い」「責任感が強い」などのポジティブなイメージを持ってもらうために、服装や言葉づかいを工夫し、表情に気を配り、ガクチカや自己PRをしっかり準備して話すことが求められますね。

限られた時間の中で「自分の優れたところを見せる」必要がある場面。

筆者の個人的意見として、リクルートスーツや髪型のマニュアルは、令和においては、あまり意味をなしていないような気がしますが😅

<職場での人間関係と過剰な「背伸び」>

仕事において周囲と円満な関係を築くためにも、ある程度、自分の社交的な面や協調性を強調することが求められます。

実際には苦手な業務や不得意な部分があっても、あたかもそつなくこなせるように見せる努力をする場面もあるでしょう。

「能力がないと思われたくない」「嫌われたくない」と言いづらい!?

もちろん、過剰な「背伸び」は本人にストレスをもたらしますが、相手に対して「働きやすい人」と思ってもらうための工夫は、チームワークを円滑にする一助になります。

いつのまにか、あれも!?これも!?任されていたり(汗)。

一方で、こうした積極的な演出が「偽り」として捉えられる可能性もあります。

しかし、日常の多くの場面では、ある程度の調整をしながら、自分が望むイメージを相手に持ってもらえるように、言動や外見を調節することは決して珍しいことではありません。

ゴフマンの「演劇論的アプローチ」

社会心理学者のゴフマンは、人間の社会的行動を“演劇”にたとえて捉えました。

人は他者からの視線にさらされる「フロントステージ」と、他者の視線から離れて自分を取り繕わなくても良い「バックステージ」を使い分けながら生活しているといいます。

これはまさに「見せる自分」「見せない自分」という概念を理解する上で、大きなヒントを与えてくれる考え方です。

<まとめ✍>

  • 承認欲求から、私たちは他者に対して「良い印象」を与えようとする行動を無意識のうちにとっています。
  • 自己呈示(Self-Presentation) とは、他者からどう見られるかを意識しながら、自分を演出する行為。
  • 日常生活では、「見せる自分」「見せない自分」 を使い分けています。
  • ゴフマンの「演劇論的アプローチ」によれば、日常を舞台にたとえ、人が役割を演じるように印象管理を行っている。
  • このような視点は、身近なコミュニケーションをより深く理解し、人間関係を円滑にする手がかりとなりえます💪

ストレスへの対処法(その3)~Adaptive Copingでストレスを上手に乗り越える方法~

<Adaptive Coping(適応的コーピング)👈おさらい!>

ストレスを感じたとき、私たちはさまざまな方法でやり過ごそうとします。

このストレス対処法全般を「コーピング」といいますが、心の健康を損なわず、長期的に役に立つ方法は、特にAdaptive Coping(適応的コーピング)と呼ばれます。

適応的コーピングには、大きく分けて2つの種類があります。

①問題焦点型コーピング

・ストレスの原因を直接解決しようとする方法(前回ブログ)

②情動焦点型コーピング(今回ブログ)

どちらが優れているというわけではなく、状況に合わせて上手に組み合わせるのがポイント。今回は、なかでも「情動焦点型コーピング」にスポットを当ててみましょう。

<気持ちをラクにする「情動焦点型コーピング」>

不安やイライラを直接解決しにくいときもありますよね。

(人間関係、家族、仕事、お金、果てしない・・・💦)

そんなときこそ、自分の心を緩める行動を意識してみてはどうでしょうか?

例えば

★旅行で気分転換
非日常感を味わうと、頭も心もリフレッシュ!

★推し活に没頭
好きなアーティストやキャラクターのグッズ集め、イベント参加でパワーチャージ。

筆者も大好きなMISIAのライブで、パワーチャージしています💛

★瞑想やアロマで癒される
深い呼吸とお気に入りの香りが、凝り固まった心をときほぐしてくれます。

この3つ、もう、すでにやっているよ!という人も多いのではないでしょうか(汗)。

筆者も仕事柄、ストレス発散の相談を受ける機会も多く💦

いろいろなクライアントさんの話を聞いて、あらためて「本当に効果があるんだなぁ」と実感しているのが・・・

<身近な「自炊」も立派な情動焦点型コーピング>

自炊、特に一人暮らしの方には、効果てきめんな印象です

・クライアントAさんは、自炊で健康診断の数値が改善して前向きな考えになった。

・クライアントBさんは、レシピを考えてSNSに投稿するように。楽しみが増えた。

・クライアントCさんは、料理に合う器にも興味がわき、陶芸教室にも通い始めた。

最初は俯きがちで元気がなかった方々も、みなさん元気を取り戻したのです!

積極性や行動力が増したような。

食事の時間を気にかけたり、「お店が閉まる前に、食材を買いにいかなきゃ」と、

仕事を早く切り上げるようにするなど、
何よりも、健康に配慮した食事への目覚め、自分で自分の身体を労わっているという感覚が、自己肯定感アップにつながっているように思えます。

自炊の習慣がない人にとっては毎日の調理が負担に感じるかもしれませんが、まずは週1回・1食だけでも挑戦してみると、気分や体調にちょっとした変化があるかもしれません。

実は、この「料理で気分転換する」という行為には、専門家の研究論文でもストレス軽減や心身のメリットがあるとされています。

なかでも最近注目されているのが料理療法音楽療法や園芸療法などと並ぶ非薬物療法の一つで、料理活動を通して心身の機能回復や情緒安定を目指すアプローチです。

<料理療法(Culinary Therapy)とは?>

料理活動を介して心身の障害の機能回復・症状の改善や情緒の安定、豊かな人間関係の構築と生活の質の向上を目指すもの

<料理療法の効果👀>

(1)身体機能の維持・向上

・食材を切ったり混ぜたりする作業は、手先や身体の調整力アップに。

・キッチン内の立ち回りが自然と筋力やバランス感覚の維持をサポート。

 確かに、立って行う作業の方が多いので、ちょっとしたトレーニング!?~

(2)認知機能の活性化

・レシピを読んだり、手順を考えることで記憶力や判断力が刺激される。

・献立づくりや買い物リスト作成は計画性や段取り力を高める訓練にも。

 料理の手際が良い人は、仕事もできる人が多い気がするのは、筆者だけ??

(3)精神的な安定

・料理の達成感や、作ったものを誰かと味わう楽しさが自信を高めてくれる。

・一緒に調理をすることで会話が増え、孤立感を和らげる効果も期待。

 ひとりでマイペースにつくるのも良し、誰かと一緒につくるのも、役割分担できて、これも楽しそう♪

(4)認知症予防

・五感をフル活用するため、脳のさまざまな領域が刺激・活性化

・研究でも適度な調理活動が認知機能の維持に効果的と示唆。

 将来にむけて、始めておきたくなります😅

<まとめ✍>

  • 情動焦点型コーピングでは、旅行や推し活、瞑想やアロマなど、気分を切り替える方法がいろいろあり。
  • なかでも「自炊」や「料理療法」は、美味しさだけでなく、ストレス軽減や心身のメリットがあるアプローチ。
  • まずは週に1度、栄養満点スープやホットサンド、ワンパン料理などから始めてみると、続けやすいかもしれません。

ストレスを感じたとき、ぜひ「自炊」を選択肢に入れてみてください。

自分好みにアレンジすれば、リラックスしながら食べる喜びも得られて一石二鳥。

2025年、今さら料理!?と思うより、今から料理をマイブームにしてみませんか?

ぜひ自分に合った情動焦点型コーピングを取り入れて、心と体のバランスをうまく保っていきましょう!

そんな筆者も無添加のダシにはまっています♪

 

ストレスへの対処法(その2)~Adaptive Copingでストレスを上手に乗り越える方法~

新しい1年が始まり、環境がガラッと変わったりすると、ついストレスを感じてしまうことってありますよね。

受験シーズンも到来、社会人は年度末で、毎年のことながら、やることが一気に増えて「どうしよう」と焦ることもあるかもしれません(→筆者はまさに、その状態💦😅)

今回は、「Adaptive Coping(適応的コーピング)」という考え方を軸に、問題解決のフレームワークを紹介します。

<Adaptive Coping(適応的コーピング)とは?>

ストレスを感じるとき、私たちはいろいろな手段を使ってなんとか心を落ち着かせようとします。この意識的に行うストレス対処法を「コーピング」と呼ぶのですが、中でも心の健康を損なわず、しかも長期的に役立つ方法を「Adaptive Coping(適応的コーピング)」と言います。

たとえば、

・ネガティブな感情をやわらげながらも、問題の解決にしっかり取り組む

・必要であればサポートを上手く活用しつつ、自分自身の力も引き出す

こうしたアプローチは、ストレスに振り回されるのではなく、自分の行動で状況を動かそうとする点が大きな特徴。

<適応的コーピングには大きく2種類あり>

①問題焦点型コーピング

・ストレスの原因に直接対処するアプローチ。

(例)時間の管理を見直して計画を立てる、必要な情報を集める、周囲に相談する など。

②情動焦点型コーピング

・ストレスによって湧き上がる感情をコントロールするアプローチ。

(例)※次回のブログで取り上げます。


<問題焦点型 vs. 情動焦点型>

  メリット デメリット
問題焦点型コーピング - 原因を直接解決できるため、根本的にストレスを減らしやすい。
- 行動を起こすことで達成感や自信につながる。
- 解決に時間や労力が必要な場合が多い。
- 自分ではコントロールできない要因に直面すると、かえってストレスが増す。
情動焦点型コーピング - ネガティブ感情をやわらげるため、気持ちがラクになるのが早い。
- 問題がすぐに解決できなくても精神的な負担を軽減。
- 問題そのものは先送りになりやすい。
- 過度に使うと、ただの現実逃避や回避行動になる恐れがある。

問題への挑戦だけでもない、気持ちのケアだけでもない、「両方をうまく組み合わせる」のが鍵となります☝

<問題焦点型コーピングで使えるフレームワーク

ここからは、問題焦点型コーピングの具体的な手順として役立つフレームワーク

「FLOW」🦜

「FLOW(Figure out the facts → Look for possible solutions → Organize a plan → Work through & evaluate)」を紹介します。

個人的に研修でよく取り入れたフレームワークです!

似たようなフレームワーク!?は、たくさんありますが・・・(苦笑)。

気になる課題やストレスを抱えているときに、振り返りに試してみてください。

(1) F:Figure out the facts(事実を洗い出す)

まずは現状を客観的に確認するところからスタート。

  • 締切はいつ?
  • どんなタスクがどれだけある?
  • どんなリソース(時間や仲間、道具など)が使える?

モヤモヤや漠然とした不安を「見える形」に整理してみると、「これが一番、厄介だな」、「やばっ、忘れてた」という気づきがあるかもしれません。

(2) L:Look for possible solutions(解決策を見つける)

事実がクリアになったら、考えられる対処法を自由にリストアップしてみましょう。

  • 現実的かどうかは一旦置いておいて、頭に浮かぶ案はどんどん書き出す
  • 友人や家族、同僚にアイデアを聞いてみるのもおすすめ

とにかく“数打つ”ことで、新しい視点をゲットできる可能性大です。

(3) O:Organize a plan(計画を組み立てる)

出てきた解決策の中で、最も実行可能性が高く、効果が期待できるものを組み合わせてプランを練ります。

  • 具体的にいつ何をやるか
  • 実行に必要な準備(アプリのダウンロード、道具の手配など)

「自分ができそうなこと」「無理なく続けられそうなこと」を優先し、少しずつ行動に移しやすい形にするのがポイント。

「誰に助けてもらいたいか」も考えておきましょう。

(4) W:Work through & evaluate(実行して評価する)

あとはプランを実行あるのみ!

  • 実際にやってみたら、結果を振り返ってみる
  • うまくいかなかった部分があれば、その原因や改善点を探して再調整

試行錯誤を重ねながらでも前に進むことで、達成感や自信が手に入り、次のステップへのモチベーションが高まります。

問題焦点型コーピングはひとりで取り組むよりは、周囲・組織を巻き込んで、考えていくことをお勧めします(→多角的な視野で、アイディアが広がりやすい)

<まとめ✍>

いろいろなストレスの対処法(コーピング)がありますが、長期的に心身の健康を損なわずに問題を前に進めていく方法は「Adaptive Coping(適応的コーピング)」と呼ばれています。

具体的な方法としては、大きく分けて

・問題焦点型コーピング

・情動焦点型コーピング の2種類があり、

どちらにもメリットとデメリットがあるので、上手に組み合わせることが大切です。

今回紹介した「FLOW」の4ステップは、問題に正面から取り組むときに役立つシンプルな思考法。

フレームワークは地味だけれども、自分に合うフレームワークを見つけると、

効率的な思考ができますね♪

気になる課題を抱えたときには、まずは事実をしっかり把握する(→重要)

そのうえで、可能な解決策を探してみると意外な打開策が見つかるかもしれません。

 

少しずつでも行動を重ねることで、「やればできる!」という感覚を育てていきましょう。自分に合った方法でストレスと付き合い、より充実した日々を送れるよう、ぜひ活用してみてくださいね!

 

<注意>考えることにも疲弊して、心身ともにストレスMAXな時は、問題焦点型コーピングは余計にストレスの沼に陥りやすいので、やめましょう💦

 

 

ストレスへの対処法(その1)無意識に発動!?~人間の優れた防衛機制~

つい先日、交流のある学生さんから「就活終了しました!」と嬉しい報告をもらいました。就活の荒波を乗り越えた姿は、どこか大人びて見えるものです😊

 

例えば、緊張して声が震えちゃったり、面接で自己PRが思うようにできなかったり。

そんなストレスがかかった時に、心をそっと守るために働く“無意識のメカニズム”があるんです。

それが 防衛機制

 

心理学的には、ストレスへの対処法(コーピング)は大きく分けて2種類あります。

◆無意識的な対処(防衛機制

◆意識的な対処(適応的コーピング) 

 

今回は、そんな 無意識な対処(防衛機制 )について深掘りしていきます!

防衛機制とは?>

防衛機制は、ジークムント・フロイトとその娘アンナ・フロイトによって体系化された概念で、個人が不安やストレスを和らげるために無意識に働かせる心理的なメカニズムです。

基本的には人間特有という点も尊い

(動物にも類似した反応が見られることがあるようです)

ただし、防衛機制が過度な場合は、心理的な問題を引き起こすこともあります。

  • フロイトは人間の心の奥底にある無意識の世界を探求
    現代心理学の基礎を築いた偉大な人物

では、具体的に就活のシーンで防衛機制がどのように働くのか、見てみましょう。

防衛機制 説明 就活での具体例
抑圧(Repression) 受け入れがたい記憶や感情を無意識に押し込める 面接での失敗を無意識に忘れようとし、別の話題に没頭する
否認(Denial) 現実を認めずに否定する 「実は本命じゃなかった」と思い込もうとする
投影(Projection) 自分の感情や特性を他者に投影する 面接官の態度が冷たかったのは、自分が緊張していたせいではなく、面接官がそもそも嫌な人だからだと思い込む
置き換え(Displacement) 本来向けるべき対象ではなく別の対象に感情をぶつける 家族や友人に八つ当たりする
合理化(Rationalization) 行動や感情にもっともらしい理由をつける 『自分にはもっと向いている業界があるはず』と考えて落ちた理由を正当化する
同一化(Identification) 他者の特性を取り入れ、自分のものとする 成功した先輩の面接の話し方やエピソードを次回の面接で真似する
退行(Regression) 幼い行動で不安を和らげる 面接のショックで、家で何もせずゴロゴロする
昇華(Sublimation) 社会的に望ましくない衝動を適応的な形で表現する 次の面接に向けて、話し方の練習や模擬面接を頑張る

防衛機制=現実逃避?>

ここで素朴な疑問。防衛機制の抑圧、否認、投影、置き換え、合理化、退行は、

ぶっちゃけ現実逃避になりやすいのか?」

防衛機制 説明 現実逃避になる場合
抑圧 受け入れがたい記憶や感情を無意識に押し込める 反省も対策もしない
否認 現実を認めずに否定する 問題に向き合わない
投影 自分の感情や特性を他者に投影する 自分のミスを認めず、他人に責任転嫁する
置き換え 本来向けるべき対象ではなく別の対象に感情をぶつける 周囲へ八つ当たりする
合理化 行動や感情にもっともらしい理由をつける 納得するが、根拠がない
退行     幼い行動で不安を和らげる 無気力になり、何も手につかなくなる

<まとめ✍>

防衛機制が現実逃避になるかどうかは、その後の行動次第

例えば、落ち込むこと自体は悪いことではありません。

短期的(瞬間的)には、優れたストレス対処とも言えます。

その人の思考の癖により、それぞれの防衛機制の現れ方や程度も違ってくるでしょう。

そのまま現実から逃げ続けるのではなく、「昇華」「同一化」などの適応的な防衛機制や、意識的な対処法(その2で取り上げます)と組み合わせることで、健やかな心理状態の維持、成長や問題解決につなげることも可能です。

 

そんな筆者も、「退行」「否認」「合理化」はしょっちゅう発動されているような気がします(苦笑)人間だもの!!💦