あれほど連日のように批判にさらされ、「冷静沈着」を通り越して「心無い」などと
揶揄されていた斎藤氏が、出直し選挙で再選を果たした。
厳しいコメントをしていた評論家も手の平返しで、お詫びとお祝いの言葉。
風向きが変わったのは、いったいいつだったのだろうか。
SNSの影響力が大きかったと語られているが、「これが民意」と言われると、正直なところ胸の内に違和感が残る。
イメージは、いつだって都合よく作られ、そして巧みに誘導されていく。
報道する側も、ニュースを受け取る側も、知らず知らずのうちに時間と思考を浪費してはいないだろうか。
では、真実にどうやってたどり着けるのだろう。
現場にいなければ、本当の姿など分かるはずもない。
それなのに、私たちはいつも「これが事実」と与えられた情報に洗脳されてないか。
今、切実に望むことがある。それは、視聴率や話題性、人気取りに左右されない、
誠実なメディアの存在だ。
報道のあり方も、私たちの情報の受け取り方も、大きな変化を求められているように思う。
イメージや憶測ではなく、本質を見つめる視点を――。
それを持つことこそ、自身を守る一歩だと信じている。